当番世話人挨拶

第20回CTサミット開催に向けて

今回,第20回CTサミットの当番世話人をさせて頂くことになりました。1997年に名古屋で第1回の当会を開催してから20年になります。この記念すべき20回の大会の当番を担当出来ることを大変光栄に感じております。
今回のCTサミットのテーマは,「Starting over―次世代技術への第一歩―」としました。
CTに関連する技術は2000年代の後半から,凄まじいスピードと多くの個性をもって進んできました。面検出器や複数管球,更にPhoton Counting等,1990年代には想像もしなかった新たな技術が診療の現場で活用又は活用されようとしています。しかし,これらの技術の幾つかは,1990年代にCTメーカーの開発者や工学系の研究者,更に臨床医等らによって考案され,その時代の技術力を結集して作り上げ,満を持して近年市場に導入されているのです。つまり,未来を予想しながら,そしてその未来を信じて高いハードルを越えてきたと思われます。我々臨床現場でCTに携わる者として,新技術を適切に使用するだけでなく,未来を予想して新たな活用を模索していく必要があると思い,今回のプログラムを作成しました。
プログラムの最初は,昨年の第19回CTサミットで紹介された超高分解能CTについて,冠動脈を中心とした臨床現場からの報告を頂きます。
また,エキスパートによる新たな技術の展開では,現在行われている撮影技術や画像解析及び新たな装置開発がもたらす将来の医療への貢献について,様々な分野からの講演を頂く予定です。このセッションには,3名の臨床現場で活躍されている方と2名の機器メーカーの方に講演をお願いしているのですが,各演者の方には「今すぐではないけれど将来この技術によりCTの撮影や診断・治療が変わるだろうと思われる内容をお話し下さい」と私から提案させて頂きましたので,非常に興味深い未来のお話しが聞けると思います。
特別講演では世界初の脳動脈瘤専用のComputational Fluid Dynamics(CFD)の開発をしているイービーエム株式会社兼早稲田大学TWInsの八木高伸先生に,CFDがもたらす臨床的な可能性や工学,医学,そして臨床現場等,オールジャパンメンバーが世界に向けて発信する技術開発についてご講演頂く予定になっております。是非,未来に向けて研究開発されている八木先生のお話しもお聞き頂きたいと思います。
また,今回のCTサミットから新たな運営方法に変わります。よりCTサミットが主体となる運営になるかと思っております。その意味も含めて,今回のテーマを"Starting Over(新たなる旅立ち,再出発)"としました。新たなステージに向けて出発するCTサミットに多くの方の参加をお待ちしております。

当番世話人 平野 透(札幌医科大学附属病院)

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