当番世話人挨拶

第21回CTサミット
テーマ「CTデータの叫び」― Cry of the CT data ―

CTは検査台に対して直行断面像を得るための断層装置であったが,機器の発展によりヘリカルスキャンが可能となり,撮影範囲を画像処理により任意の断面像,または3次元画像で表示することが可能となった現在のCT検査は,一般撮影と同等な感覚で検査が蔓延している。
しかしながら我々はただ単に依頼された範囲をスキャンするのではなく,造影剤量,撮影線量を軽減し如何に人体に優しい検査であることを被検者に認識させながら実施し,CT検査においては安心と信頼を確保することが義務化になってきた。あらゆる領域においてCT検査は万能であり,画像診断の要であることは間違えでないが,その反面CTから多くのデータが排出されていることも十分理解しなくてはならない。
必要度に応じて我々CTユーザは常に検証し被検者に信頼を得ることが必要である。CT検査は広く浅くまたは狭く深くの多角的な考え方があり,排出されるCTデータも異なる。多種多様に使用される膨大なCTデータは水面下で沈黙している訳でなく大いに叫んでいる。
それに耳を傾け幾つかの課題を取りあげて何が良くて,何が悪いのかをこのCTサミットで気づいてくれれば現状より十分な力を発揮できるものと考えます。そして,明日からの検査業務に役立てればと思い臨床に重み付けた内容にしました。

当番世話人 石風呂 実 広島大学病院

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