当番世話人挨拶

テーマ「Trends of CT technology 〜未来へ繋ぐCT技術〜」

X線CT装置は,1968年に英国EMI社のハンスフィールド(Godfrey Newbold Hounsfield)による発明を起源と考えると第22回CTサミット開催の2018年に50年を迎えることになる。X線装置かつデジタル画像処理装置であるCTは,高速に広範囲を低被ばくに撮像でき,得られる画像はアーチファクトが少なく高分解能であることが要件とされてきたが,CTの普及が放射線画像診断に大きな影響を齎し医療に大きく貢献したことから類まれなる開発競争が展開され,様々なアイデアに基づく多様な装置が開発され,驚異的速さで進歩発展を遂げてきた。こうした技術進化の過程においては,レトロスペクティブな分析とプロスペクティブな展望が不可欠であり,我々放射線技師の果たした功績は大きく,CTサミット(旧名称:全国X線CT技術サミット)においても,常に“CT技術”にスポットを当てて開催されてきた。
しかしながら,近年は2管球搭載のデュアルソースCT(DSCT)や広範囲の撮像可能なエリアディテクタCT(ADCT)の開発・普及に伴うDual Energy CT技術や造影剤減量技術,逐次近似画像再構成法によるノイズやアーチファクト低減ならびに被ばく低減技術,金属アーチファクト低減技術等,更なる進化を遂げているが,従来からの理論が成立しないことも多々ある。
我々,CTに携わる技術者は,装置や技術の進化と潮流を読み,先入観にとらわれず客観的な判断のもと“CT技術”を未来へ繋げることが必要だと考え,主題を「Trends of CT technology ~未来へ繋ぐCT技術~」とした。本CTサミットでは,個々の分野に造詣の深い講師やシンポジストを招聘して,最新かつ未来へ繋ぐ有意義な情報を提供したいと思いますので多くの皆さまの参加をお待ちしております。
なお,今回のCTサミットは7月14日(土)に開催され,15日(日),16日(月祝日)が連休となりますので,小倉城や門司港レトロ,九州鉄道記念館,平尾台(カルスト台地と鍾乳洞)といった北九州の観光スポット,更には九州の入口ですので,大分方面や長崎,鹿児島方面へ足を延ばされ九州を満喫して頂ければ幸いです。

当番世話人 小川正人(産業医科大学若松病院)

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